(株)アイシン産業 新型スライサー導入
高精度でわずか0.3ミリの発泡品実現
全国的にも希少な技術 用途拡大へ
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発泡品加工販売の(株)アイシン産業(福山市神村町3550―1、資本金1200万円、宇田信士代表取締役社長)は、発泡品の原反を薄く高精度でスライスする新型のスライスカットマシン(スライサー)を新たに導入した。
マシンは独自にカスタマイズし、ゴムスポンジやポリエチレンなどの発泡品を厚さわずか0.3mmと極限まで薄くスライスする技術を確立。最大1300mm×2200mmまで対応できる。「発泡品は柔らかく1~2ミリの誤差は当たり前だったが、精度を求めることで差別化を図る」と吉岡信義専務取締役。機械に配置した原反を削るように職人が押し動かすと、マシンを一周取り囲むように付いた円形刃物が回転し原反上部を削ぎ取る。薄く均等にスライスする技術は職人の技に負うところが大きい。誤差は0.1mmレベル。精度が非常に高いのが特徴。
発泡製品は梱包材、緩衝材、吸音材、スポンジ、ソファーの芯材、玩具など様々な種類、用途があるが、0.3mm、0.5mmといった薄さのスポンジは全国的にも過去に例が無く、その技術は様々な業界から注目されている。パソコンなど精密機器の内部に使用されるなど徐々に用途の幅が広がりつつある。
また二次加工として一連の作業がスムーズに行えるようCAD/CAMが利用できる3台目の精密加工のマルチカッティングマシンも導入。図面を元に誤差0.5mmレベルのカット・削りやコーナー加工などが素早く容易にできるだけでなく、作業効率も倍近く向上した。吉岡専務は「発泡品のトータルアドバイザーとして、他社ができないことをやる。技術を応用し、いろいろな依頼に応えていきたい」と期待を込めて述べた。なおマシン導入は平成24、26年度「ものづくり補助金」の採択によるもの。
加工品は1個から注文が可能。価格は物により図面作成料込みで数千円から、個人注文対応可。問い合わせはTEL084-934-6615同社。同社は1980年創業、社員数24人。
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